恋なんてしません(仮)―――多分。

そして、次の日学校。
「⋯ん?」
一緒に登校してきた莉風に言う。
「どうしたの、莉風」
「あ、いや、靴箱があかないだけ」
「え、僕が開ける」
「いや、大丈夫⋯」
僕が力強く引っ張ると、中からバラバラ、白い紙が出てくる。
「な、果たし状か」
「んなわけないだろ」
僕が見ると、それは封筒で、ハートのシールとか、シーリングスタンプで封をされていた。「なにこれ」
「え、紫鶴、もらったことないの?」
「ないよ」
首を傾げて、中身を見た。
「えーと、水無月莉風様、貴方が好きです、付き合ってくださいぃい?」
ま、まさか。
「これ⋯恋文なの?」
「恋文って言い方古すぎるだろ。ラブレターだよ、俺宛ての」
残り殆ど全てがそうだった⋯かな。
殆ど全て中身を見ると、やはり恋文が綴られているのです。
「ふうん⋯」
へー、ていうか字がうまいなこの人。
ちょっと字を教えてほしい気がする、僕は丸文字だから。
「莉風に恋したのか」
「そうだね」
そ、そんな一種の日常みたいな対応できるの、すごいな。
「彼女いるの知ってていれてるの?その人達は」
「さあ。下級生も上級生もいるからねえ」
莉風はつーっと文章を目でたどり、ニコリと笑った。
それも丁寧に折りたたんでポケットに入れる。
莉風は手さげに恋文を入れ、立ち上がった。 
「⋯あのさ」
僕は、莉風に言った。
「ん?」
「あの紙⋯どうするの?」
「ええ?」
莉風は驚いたように僕を見た。
「捨てちゃうの?」
「うーん⋯捨てはしないよ、なんだかその子の気持ちを踏みにじってるみたいだし、けど持っていてもねえ⋯」
「おお」
「でも、やっぱりどうするかは困るよね」
莉風は困ったように頭を掻いた。
じゃあ、と僕は提案する。