キスするくせに、彼氏じゃない。

「帰るところ?」

 

私はうなずいた。

 

「じゃあ、下で待ってる」

 

返事をする前に、彼は階段へ向かった。

 

追いかけてきてとも、一緒に帰ろうとも言わなかった。

私はただ、教室へ戻ればよかった。

 

鞄を取りに行く。

椅子を机に入れる。

 

動作が、少しずつ早くなる。