キスするくせに、彼氏じゃない。

廊下へ出ると、彼はハンカチを差し出した。

 

「これ」

「……わざわざ来たの?」

「今日、合同ないから」

 

それは、そうだった。

 

受け取ったハンカチは、角まできちんとそろっていた。

自分で畳むより綺麗かもしれない。

 

「ありがとう」

 

言うと、瀬川くんが私を見た。

 

「借りたの、俺だけど」

「洗ってくれたから」