キスするくせに、彼氏じゃない。

次の日の放課後。

瀬川くんが、私の教室の入口に立っていた。

 

最初、自分に用があるとは思わなかった。

 

教室の空気が少し変わる。

前の席の女子が廊下を見て、隣の子の腕を軽くたたいた。

 

「瀬川くんじゃない?」

 

聞こえて、顔を上げる。

 

目が合った。

彼が片手を少し持ち上げる。

小さく畳まれた、白い布が見えた。

 

私は椅子を引いた。