キスするくせに、彼氏じゃない。

「全然最後じゃなかった」

 

それを拾いに行く後ろ姿を見て、私は窓へ手を伸ばした。

半分ほど閉めると、廊下に流れていた風が弱まった。

 

「……ああ。先にそうすればよかった」

 

戻ってきた先輩が、窓と私を交互に見る。

 

「ありがとう。俺、ずっと紙追いかけてた」

 

少し困ったような笑い方だった。

私もつられて、口元を緩めた。

 

「また飛ぶところでした」

「ほんとだね」

 

先輩は紙をファイルに挟み、今度はしっかり脇に抱えた。