キスするくせに、彼氏じゃない。

律は少し考えた。

 

電車の揺れ。

重い箱。

花壇の札。

 

「……サツマイモ」

 

相原が眉を寄せた。

 

「何?」

「花壇にあったから」

 

説明しても、相原の顔は戻らなかった。

律は箸を動かした。

 

窓の向こうは晴れていた。

中庭の花壇では、昨日まで斜めだった札が、まっすぐに直されている。

 

ただ、文字はまだサツマイモのままだった。

 

*