キスするくせに、彼氏じゃない。

「お前、白石と仲いいの?」

 

相原が聞いてきたのは、昼休みだった。

 

律は弁当の蓋を開けた。

今日は朝、鞄に入れてきた。

 

「普通」

「普通って、どれくらい」

 

律は答えずに箸を取る。

相原は前の席の背もたれに腕をかけ、こちらへ向き直った。

 

「昨日、一緒に帰ったんだろ」

「駅まで」

「傘も一緒だったって?」

 

そこで律が顔を上げる。

 

相原は両手を少し上げた。

 

「俺が見たんじゃないぞ。聞いた」

「よく見てるな、みんな」

「そりゃ見るだろ。お前だし」