彼が振り向く。
思ったより声が響いた。
廊下の何人かまで、こちらを見た。
私は鞄の持ち手を握った。
「……歩きながらは、危ない」
瀬川くんは手元の本を見た。
それから、私を見る。
口元が少し緩んだ。
「はい」
素直すぎる返事だった。
何だかからかわれた気がして、私は先に顔をそらした。
*
思ったより声が響いた。
廊下の何人かまで、こちらを見た。
私は鞄の持ち手を握った。
「……歩きながらは、危ない」
瀬川くんは手元の本を見た。
それから、私を見る。
口元が少し緩んだ。
「はい」
素直すぎる返事だった。
何だかからかわれた気がして、私は先に顔をそらした。
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