キスするくせに、彼氏じゃない。

放課後には、雨が強くなっていた。

 

私は昇降口の端で、鞄の中を探した。

教科書。

筆箱。

体操服。

昨日入れたはずの折り畳み傘だけが、ない。

 

朝、空を見て安心した自分を思い出す。

 

電車に間に合わせるなら、走るしかなかった。

 

靴を履き、鞄を抱える。

雨の向こうに門がかすんでいる。

 

一歩踏み出そうとしたところで、背後から声がした。