キスするくせに、彼氏じゃない。

私は顔を上げ、ボールを投げ返す。

受け取った女子の隣で、別の子が私と律を交互に見ていた。

 

笑いかけていた口元が、自然に戻る。

 

「……じゃあ」

 

短く言って、先に歩いた。

 

体育館の出口へ向かいながら、一度だけ髪に触れた。

 

*