キスするくせに、彼氏じゃない。

乗り換えた先の電車は、さらに混んでいた。

 

扉が閉まる。

後ろから押され、私は一歩奥へよろめいた。

つかもうとした手すりには、先に別の人の手がかかる。

 

まずい、と思った瞬間。

 

「こっち」

 

肘のあたりを支えられた。

さっきの男子だった。