キスするくせに、彼氏じゃない。

「白石、普通にうまいじゃん」

 

相原の声に、律は転がってきたボールを止めた。

 

「誰が?」

「だから、白石。そっち」

 

言われなくても場所はわかっていた。

隣のコートで、彼女がボールを追っている。

 

長い手足を大きく使って、ぎりぎり届いたボールを返す。

着地してから、少し遅れて笑った。

 

律はそちらへ向いていた顔を戻した。

 

「お前、次サーブ」

「わかってるって」

 

相原はボールを受け取りながら、もう一度隣を見た。

 

「てか、姿勢いいよな。すらっとしてんのに、制服もちゃんと似合う感じ。目立つわ」