キスするくせに、彼氏じゃない。

チーム分けのあと、コートに入る。

私は後ろの端に立った。

 

バレーボールは、嫌いではない。

話すタイミングを考えるより、飛んでくるボールを追うほうが楽だった。

 

隣の子が受け損ねたボールが、ネット際へ上がる。

私は走って、両手を伸ばした。

 

指先に当たる。

ボールが相手コートへ落ちた。

 

「入った!」

 

思わず声が出た。

 

同じチームの女子がこちらを見る。

私もそちらを見たけれど、何と言えばいいかわからなくて、小さく笑った。