キスするくせに、彼氏じゃない。

顎で示された先に、乗換案内があった。

私は画面を操作し直す。

確かに、そちらから回ったほうが早かった。

 

「……ありがとう」

 

彼は小さく顎を引いただけだった。

私が何年何組なのかも、名前も聞かない。

扉の上の表示を確かめると、そのままホームへ下りていった。

 

私も鞄を持ち直す。

同じ学校へ行くのだから、行き先が一緒でもおかしくない。

そう自分に言い聞かせながら、少し離れて彼の後を追った。