キスするくせに、彼氏じゃない。

「あの」

 

彼が顔を向ける。

 

「朝、別に……」

 

嫌だったわけじゃない。

そう言おうとして、止まった。

何が、とは聞かれていない。

向こうはもう忘れているかもしれないのに、自分から説明するのも変だった。

 

「何」

 

急かす声ではなかった。

だから余計に、続きが言いにくい。