キスするくせに、彼氏じゃない。

振り返ると、彼はまだそこにいた。

 

「……さっきのは、本当にありがとう」

 

彼の目が、わずかに細くなる。

 

「それ、もう聞いた」

 

今度は、声が少しやわらかかった。

 

私は小さくうなずいて、昇降口へ急いだ。

 

*