キスするくせに、彼氏じゃない。

何でもないことを言ったつもりだったのに、目が合うと急に落ち着かなくなる。

私は筆箱を開けた。

 

「洗った?」

「うん」

「なら、いいけど」

 

先生が入ってきて、教室が静かになった。

私は前を向いた。

隣では、瀬川くんが手首を裏返し、もう一度傷を見ていた。

 

*