「間違えただけ」 「うん」 「わかってたなら、普通に返して」 「普通って?」 私は答える代わりに、プリントを一枚、彼の机へ滑らせた。 「これ、今日の」 「ありがと」 鞄を下ろした彼の手首に、細い赤い線が見えた。