キスするくせに、彼氏じゃない。

「間違えただけ」

「うん」

「わかってたなら、普通に返して」

「普通って?」

 

私は答える代わりに、プリントを一枚、彼の机へ滑らせた。

 

「これ、今日の」

「ありがと」

 

鞄を下ろした彼の手首に、細い赤い線が見えた。