キスするくせに、彼氏じゃない。

『ちゃんと読み終わってから感想言って』

 

すぐに既読がついた。

 

『はい』

 

たった二文字。

 

私はスマートフォンを伏せた。

 

頬が緩んでいるのが、自分でもわかった。

 

学校で私について何か言われた日も、家に帰れば思い出さずに済むようにしていた。

本を読んだり、音楽を流したり。

そうやって、頭の中から追い出していた。