キスするくせに、彼氏じゃない。

放課後、図書室へ寄った。

 

瀬川くんに本を借りると答えたせいで、急に何か読みたくなった。

別に、普段読まないわけではない。

ただ、学校の図書室は久しぶりだった。

 

窓際の棚で背表紙を見ていると、少し離れた机に見覚えのある鞄があった。

 

その向こうに、黒い髪。

 

私は足を止めた。

 

瀬川くんだった。

机に本を開き、片肘をついている。

こちらには気づいていない。