彼は前を向いたままだった。
「端、歩きすぎ」
「うん」
今度は、離れなかった。
昇降口で別れるとき、私は自分から顔を上げた。
「本、読み終わったら教えて」
瀬川くんは靴箱を閉める手を止めた。
「わかった」
それだけで、一時間目の始まりまで少し気分がよかった。
*
「端、歩きすぎ」
「うん」
今度は、離れなかった。
昇降口で別れるとき、私は自分から顔を上げた。
「本、読み終わったら教えて」
瀬川くんは靴箱を閉める手を止めた。
「わかった」
それだけで、一時間目の始まりまで少し気分がよかった。
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