ど、どうしよう……。
「長閑さん、大丈夫?男苦手でしょ?」
「へっ?」
思わず変な声が出た。
なんで……。
だれにも言ってないよっ……。
先生に目を向けると、
「や、そのくらいわかるよ?というか、担任が俺でごめんね。でも、男二人より、一人のほうがまだましかもなって思って、先に田中さん帰しちゃったけど……。二人のほうがキツイ?」
「あ、いや、大丈夫ですっ……」
「そっか。よかった。でも、緊張するな、とは言わないし、緊張すると思うけど、一回深呼吸してみたら?」
「え、あ、はいっ」
「はは。また固まってるよ。ゆっくりでいいから。ね?」
……こんな人、初めて会った。
普通は、なんでしゃべらないの、とか、とっとと話せよ、とかなのに。
あと、雰囲気がトゲトゲしてない。
みんなは、すぐ話せない私にイライラして、するどい言葉を刺すのに。
待ってて、くれるんだ。
それが、私を落ち着かせてくれた。
「ありがとうございます。落ち着きました」
「よかった。ごめんね、呼び出して」
「いえ、全然大丈夫です。むしろ、帰るのが遅くなってラッキーというか……」
「そうなの?……もしかして、心のアンケートとか、日記とかに書いていたことと、関係ある?」
「あ、えっと……」
まさか、先生日記読んでいたの?
あ、でも毎回コメントくれるし……。
「ときどき、何回殴られた、とか書いてあるけど、大丈夫……?」
うぁっ、心配かけちゃった⁉
全然大丈夫なのに……。



