「私、日記に少し書いちゃってたところがあると思うんですけど……。両親と、仲が良くないんです」
「あ、コメントというか、振り返りのとこに書いてあったね」
「ごめんなさいっ。ちょっと限界が近かった時に、言葉にすると、気持ちが落ち着くんです……。っていうか、読んでたんですか本当に……」
「だって、ちゃんと振り返りとか書くの、うちのクラス長閑さんだけなんだもん」
「あ、そうなんですね……」
みんな、振り返りとか書かないんだ……。
じゃなくて。
「それで、ちょっと機嫌が悪い時に、横暴、というか……」
「手が出ることがある……?」
「あ、はい。そうなんです」
「大丈夫っ⁉ケガはっ⁉」
「あ、いや、それほどじゃないので……。あざくらいだし」
「あざって……だいじょばないでしょ」
いや、本当にただのあざだからっ。
そんな、ヤバいやつじゃない!
「あっ……。もしかして、それが理由で夏でも長袖着てるの……?」
「っ……はい。長袖のワイシャツは高いから、中は半袖だけど……。絶対にブレザーを着るようにしています」
「そうなんだ。ちょっといい?」
「へっ?わわっ」
ブレザーの袖をまくられた。
ちょま、バレるっ。
「なにこれ……。ひどい……」
「だから、見ないほうがいいですよ……」
本当に、見ないほうがいい。
真っ青な腕を。



