「変わりたかったのかな」
高木くんが言った。
私は彼を見る。
「引っ越した人?」
「うん。全部変えたいわけじゃなかったのかも」
窓の近くで、紙をめくる音がした。
私は短編集の表紙へ視線を戻した。
違う自分になる。
そう考えると、大きなことに思える。
今までの自分を、全部片づけなければいけないような。
でも、花を一つ置くだけなら。
「……変えてみたかっただけかもね」
私が言うと、高木くんは頷いた。
「そのくらいでも、よくない?」
軽い言い方だった。
私は手首からゴムを外し、指で小さく伸ばした。
「うん」
彼が、その動きへ目を落とした。
高木くんが言った。
私は彼を見る。
「引っ越した人?」
「うん。全部変えたいわけじゃなかったのかも」
窓の近くで、紙をめくる音がした。
私は短編集の表紙へ視線を戻した。
違う自分になる。
そう考えると、大きなことに思える。
今までの自分を、全部片づけなければいけないような。
でも、花を一つ置くだけなら。
「……変えてみたかっただけかもね」
私が言うと、高木くんは頷いた。
「そのくらいでも、よくない?」
軽い言い方だった。
私は手首からゴムを外し、指で小さく伸ばした。
「うん」
彼が、その動きへ目を落とした。

