高木くんも、声を落とした。
「ごめん」
誰に向けたのかわからない小さな謝り方だった。
私は首を横に振る。
少し笑いが残っていて、うまく返事ができなかった。
図書室でこんなふうに話すのは、初めてかもしれない。
静かでいられるから好きだった場所で、声を出すのを我慢している。
それが嫌ではない。
高木くんは椅子に座り直し、私の本へ目を落とした。
「それ、読み終わったらどうすんの」
「友達に貸す」
「そっか」
「今日、話したら読んでみたいって」
「また感想変わりそう」
私は顔を上げた。
「……うん。そうかも」
一冊の本が、少しずつ違うものになっていく。
「ごめん」
誰に向けたのかわからない小さな謝り方だった。
私は首を横に振る。
少し笑いが残っていて、うまく返事ができなかった。
図書室でこんなふうに話すのは、初めてかもしれない。
静かでいられるから好きだった場所で、声を出すのを我慢している。
それが嫌ではない。
高木くんは椅子に座り直し、私の本へ目を落とした。
「それ、読み終わったらどうすんの」
「友達に貸す」
「そっか」
「今日、話したら読んでみたいって」
「また感想変わりそう」
私は顔を上げた。
「……うん。そうかも」
一冊の本が、少しずつ違うものになっていく。

