カウンターへ戻り、私は自分の文庫本を出した。
高木くんは向かい側の椅子を少し引いた。
「ここ、座っていい?」
「うん」
机を挟むと、話しやすい気がした。
立って待たせている、という焦りがなくなる。
私は本の表紙へ指を置いた。
「最後、前より寂しくなかった」
高木くんがこちらを見る。
「入らなかったけど?」
「うん。次があると思ったから」
口にしてから、彼の言葉をそのまま借りていることに気づいた。
「高木くんが、そう言ってたからなんだけど」
少し声が小さくなる。
彼は本を見た。
それから、短く息を漏らした。
「そっか」
口元が、わずかに上がっていた。
高木くんは向かい側の椅子を少し引いた。
「ここ、座っていい?」
「うん」
机を挟むと、話しやすい気がした。
立って待たせている、という焦りがなくなる。
私は本の表紙へ指を置いた。
「最後、前より寂しくなかった」
高木くんがこちらを見る。
「入らなかったけど?」
「うん。次があると思ったから」
口にしてから、彼の言葉をそのまま借りていることに気づいた。
「高木くんが、そう言ってたからなんだけど」
少し声が小さくなる。
彼は本を見た。
それから、短く息を漏らした。
「そっか」
口元が、わずかに上がっていた。

