「どんな話?」
「喫茶店に通う人の話」
「何も起きなそう」
思わず顔を上げる。
高木くんの口元が、ほんの少し上がっていた。
からかわれている、というほどでもない。
私も少し笑った。
「でも、お店が休みの日にしか行かないの」
「なんで」
「開いてると、注文しなきゃいけないから」
高木くんが黙った。
私はその沈黙に耐えきれず、付け足す。
「……そういう人の話」
「それは、ちょっと面白そう」
「今ので?」
「うん」
彼は、表紙の文字を目で追った。
『木曜日の余白』。
私は初めて、その題名を二人で見ていることを意識した。
「喫茶店に通う人の話」
「何も起きなそう」
思わず顔を上げる。
高木くんの口元が、ほんの少し上がっていた。
からかわれている、というほどでもない。
私も少し笑った。
「でも、お店が休みの日にしか行かないの」
「なんで」
「開いてると、注文しなきゃいけないから」
高木くんが黙った。
私はその沈黙に耐えきれず、付け足す。
「……そういう人の話」
「それは、ちょっと面白そう」
「今ので?」
「うん」
彼は、表紙の文字を目で追った。
『木曜日の余白』。
私は初めて、その題名を二人で見ていることを意識した。

