きみが窓を見なくなるまで

放課後は、図書委員の当番だった。

隼人くんは部活へ行く。

教室を出る前、彼が私の机へ来た。

「今日、終わったら寄る」

「うん。でも、無理しないでね」

「しない」

彼は頷いた。

それから、少し声を落とす。

「会いたいから、寄るだけ」

私は返事を忘れた。

隼人くんは私の顔を見て、口元を緩める。

でも、教室を出ていくときには、耳が赤かった。

私は鞄へ本を入れた。

今なら、わかる。

平気な顔をしようとしているだけなのだと。

そのことまで、好きになってしまった。