きみが窓を見なくなるまで

駅の前で、便箋を渡した。

隼人くんが両手で開く。

私は少し離れて、その指先を見ていた。

書いたのは、たった二行だった。

隼人くんへ。

図書室で話す時間が、好きです。

彼は、その短い文章をしばらく見ていた。

それから、折り目に沿って丁寧に畳む。

「ありがとう」

私は首を横に振りかけて、やめた。

受け取ってもらいたくて、持ってきたものだった。

「……うん」

彼は便箋を本の間へ入れ、鞄へしまった。

その動きを見て、私はまた少し泣きそうになった。