きみが窓を見なくなるまで

私は指先へ少し力を入れた。

握り返す。

隼人くんの目が、わずかに動いた。

そのあと、前を向く。

耳が、また赤くなっていた。

「……隼人くん」

「うん」

「赤い」

言ってから、言わないほうがよかったかもしれないと思った。

彼がこちらを見る。

一度だけ、目を細めた。

「妃菜も」

私は空いている手で頬に触れた。

熱かった。

彼が小さく笑う。

つないだ手に、少しだけ力がこもった。

私はもう、何も言えなくなった。