きみが窓を見なくなるまで

「最初は、たまたま」

隼人くんの声がした。

「本から顔上げたら、妃菜が映ってて」

私はガラスの中の彼を見た。

「読んでるとき、教室と全然違う顔するから」

胸が、苦しくなる。

「笑ったり、急に真剣になったり。前のページ戻ったり」

私は唇を少し開いた。

あの日。

同じところを開いていたと、彼は言った。

「見てたんだ」

声にすると、急に実感が湧いた。

隼人くんが頷く。

「……見てた」

今度は、少し困った声だった。