きみが窓を見なくなるまで

「俺が窓見てたのは、合ってる」

私は頷いた。

隼人くんは、窓際の席へ目を向けた。

誰も座っていない。

いつも彼が使っていた椅子が、机の下に収まっている。

彼は少し迷ってから、立ち上がった。

「妃菜」

呼ばれて、顔を上げる。

「ちょっと、こっち来て」

私は鞄を見た。

置いていっていい、と言うように、彼が小さく頷く。

椅子を引いた。

足に、少し力が入らなかった。

隼人くんは先へ急がず、私が立つのを待っていた。