きみが窓を見なくなるまで

金曜日の放課後、体育館の扉が開いていた。

いつもの道を歩いていて、ボールの音に足を緩める。

コートの端に、隼人くんがいた。

練習着姿で、先生の話を聞いている。

そのあと、ボールを一つ受け取った。

走り出すわけではない。

足の位置を確かめ、膝を少し曲げる。

両手が上がる。

ボールが指先を離れた。

私は、その弧を目で追った。

ネットが揺れる。

大きな音はしなかった。

隼人くんはリングを見たあと、足元へ視線を落とした。

それから、近くへ戻ってきたボールを拾った。