きみが窓を見なくなるまで

しばらく、何も言えなかった。

好きだと話しただけで、こんなに息が浅くなるとは思わなかった。

私は指を組んだ。

みなみのほうへ顔を向ける。

「でも」

その先を言うのが、急に怖くなった。

目の前にいる友達は、何も知らない。

知らないまま、私の話を聞いてくれている。

私は彼女の顔を、ちゃんと見られなくなった。

「その人には」

鞄の持ち手を、もう一度握る。

「……好きな子が、いると思う」

教室の外で、誰かの足音がした。

みなみは、すぐには返事をしなかった。