きみが窓を見なくなるまで

「……変な話かもしれない」

やっと出た言葉は、そんなものだった。

みなみは首を横に振った。

「聞いてから考える」

少しだけ、笑いそうになった。

決めつけずに、そう言ってくれるのが彼女らしかった。

私は鞄の縫い目へ指を置いた。

「私、こういう話、あんまりしたことなくて」

「うん」

「何から言えばいいか、わからないんだけど」

みなみが頷く。

私は一度、扉を見た。

最後に残っていた二人が、廊下へ出ていく。

扉が閉まった。

教室が、急に広く感じた。

私は鞄から指を離した。

「好きな人が、いるの」