きみが窓を見なくなるまで

机の間に、鞄を置いた。

抱えていれば、少し落ち着く気がした。

みなみは何も急かさなかった。

私は彼女の膝に置かれた手を見ていた。

指の横に、小さな絆創膏がある。

部活。

そう思って、顔を上げた。

「練習、大丈夫?」

みなみは頷いた。

「少し遅れるって、連絡する」

スマホを出し、短く文字を打つ。

私はその指先を見ていた。

自分のために、誰かの予定が少し変わる。

申し訳ないと思った。

でも、行かないでほしいとも思った。

みなみはスマホをしまい、椅子を少し近づけた。

「大丈夫」

その言葉に、私はゆっくり息を吐いた。