きみが窓を見なくなるまで

みなみは、下ろしたバッグを机の横へ置いた。

それから、私の顔を見る。

「うん」

短い返事だった。

何の話、とも聞かれなかった。

私は立ったまま、鞄の持ち手を握っていた。

話したい。

そう思って呼び止めたのに、最初の言葉が出てこない。

教室の後ろでは、数人が帰る準備をしている。

笑い声がして、誰かが窓を閉めた。

みなみは一度そちらを見てから、私へ目を戻した。

「座ろうか」

私は頷いた。

自分の椅子へ座る。

みなみも、前の席の椅子を借りて、こちらへ向けた。