きみが窓を見なくなるまで

放課後、隼人くんは陸くんと教室を出た。

私は自分の席で、まだ鞄を閉じていなかった。

昨日から読んでいた本を入れる。

返却日は、まだ先だった。

もう少し借りていたいと思った。

手紙を出すところを、もう一度読みたかった。

教室の前で、みなみが先生に何か渡している。

部活の連絡用紙らしかった。

彼女は頷き、短く返事をする。

その横顔を見る。

私にも話したいことがある。

何もないと答えるたび、言いたかったことが少しずつ溜まっていた。

でも、話したら、困らせるかもしれない。

私は鞄のファスナーを、途中まで閉めた。