きみが窓を見なくなるまで

みなみが机の端へ手を置いた。

「最近、疲れてる?」

私は首を横に振りかけた。

でも、さっき隼人くんに同じようなことを聞かれたばかりだった。

二人とも、気づいている。

私は弁当箱の蓋へ指を掛けた。

「……ちょっと、ぼーっとしてるだけ」

みなみは頷いた。

それから、何も聞かずに自分のパンの袋を開けた。

「じゃあ、今日は食べるの優先」

私は顔を上げる。

彼女は弁当箱を指した。

「冷める前に、って言おうとしたけど、もう冷めてるね」

少し困った顔で笑う。

私は今度は、自然に笑えた。

「うん。朝から」

「そっか」

そのやり取りだけで、少し息がしやすくなった。