きみが窓を見なくなるまで

帰り道で、みなみが推理小説の話をした。

「今、一人目を疑ってる」

「まだ最初?」

「うん。今回こそ変えない」

「決めなくてもいいんじゃない?」

「それもそうなんだけど」

みなみは自分で笑った。

私は隣で頷く。

話しながら歩くと、駅までの道は短かった。

彼女は私の感想を聞き、私が言葉を探す間も待ってくれる。

みなみと、もっと仲良くなりたい。

その気持ちは、変わらなかった。

だから、隼人くんがみなみを好きなのかもしれないと思うたび、行き場がなくなる。

彼女を悪く思う理由は、一つもなかった。