きみが窓を見なくなるまで

カードを枝へ掛けようとしていると、扉が開いた。

高木くんだった。

私の手元を見て、足を止める。

「何それ」

「おすすめの本」

彼は少しかがみ、カードの文字を読んだ。

「それにしたんだ」

「うん」

「紹介、なんて書いた?」

私はカードを少し裏へ向けかけた。

自分で書いた文章を、目の前で読まれるのは恥ずかしい。

でも、高木くんはもう読んでいた。

「読み終わったあと、誰かと話したくなる本」

彼の声で、自分の言葉が聞こえる。

私は枝に掛けた紐を直した。

「……そうだったから」

高木くんは、しばらくカードを見ていた。

「いいと思う」

その返事だけで、これにしてよかったと思った。