きみが窓を見なくなるまで

閉館まで、高木くんとはもう話さなかった。

彼は黄色い本を読んでいた。

一度、口元が緩んだ。

猫が出てくるところだろうか。

そう思って、私も少し笑った。

今日は、窓より本を見ている時間が長い気がした。

それだけのことが、どうしようもなくうれしい。

机の上を片づけながら、昼休みのことを思い出す。

山本と、よく話す?

あの質問。

髪を見ていた目。

何度も途切れた言葉。

一つずつ、意味を確かめたくなる。

でも、確かめたら今の時間がなくなってしまう気がして、私は本を揃えるだけにした。