「取れた」
高木くんの声がした。
私はゆっくり顔を戻した。
彼はゴムを指先に掛けていた。
黒い、小さな輪。
差し出されて、私は掌を上に向ける。
彼がそこへ落とした。
指は触れなかった。
それなのに、掌まで熱くなった気がした。
「……ありがとう」
「うん」
高木くんは、すぐには座らなかった。
私の肩へ落ちた髪を一度見て、それから目をそらす。
私は髪の内側へ指を入れ、軽く梳いた。
結んだ跡がついている。
きっと、変なふうに曲がっている。
今さら、そのことが気になった。
高木くんの声がした。
私はゆっくり顔を戻した。
彼はゴムを指先に掛けていた。
黒い、小さな輪。
差し出されて、私は掌を上に向ける。
彼がそこへ落とした。
指は触れなかった。
それなのに、掌まで熱くなった気がした。
「……ありがとう」
「うん」
高木くんは、すぐには座らなかった。
私の肩へ落ちた髪を一度見て、それから目をそらす。
私は髪の内側へ指を入れ、軽く梳いた。
結んだ跡がついている。
きっと、変なふうに曲がっている。
今さら、そのことが気になった。

