「山本、前から言ってたよな」
誰かが笑う。
「だって可愛いじゃん。あんまり話したことないけど」
直人くんの声は、隠すような大きさではなかった。
それが余計に、教室へ入りづらかった。
「顔だけじゃなくて、スタイルも——」
言葉の途中で、別の声が重なった。
「その話、本人いないとこですんの?」
高木くんだった。
私は顔を上げた。
教室の中は、ここからではよく見えない。
一拍、間が空く。
「いや、褒めてるだけだけど」
「顔見て言えば」
低くも、怒った声でもなかった。
でも、それまで続いていた笑い声は、一度止まった。
誰かが笑う。
「だって可愛いじゃん。あんまり話したことないけど」
直人くんの声は、隠すような大きさではなかった。
それが余計に、教室へ入りづらかった。
「顔だけじゃなくて、スタイルも——」
言葉の途中で、別の声が重なった。
「その話、本人いないとこですんの?」
高木くんだった。
私は顔を上げた。
教室の中は、ここからではよく見えない。
一拍、間が空く。
「いや、褒めてるだけだけど」
「顔見て言えば」
低くも、怒った声でもなかった。
でも、それまで続いていた笑い声は、一度止まった。

