世界でいちばん、君に届かない

 *

 放課後。

 写真部の部室でカメラの手入れをしていると、小春ちゃんが勢いよく扉を開けた。

 「澪先輩っ!」

 「わっ! どうしたの?」

 「聞きましたよ! 久世先輩に告白されたんですって!?」

 危うくレンズキャップを落とすところだった。

 「情報の伝達速度がおかしい!」

 「本人の許可は取ったよ」

 小春ちゃんの後ろから、侑芽がひょっこり顔を出す。

 確かに、昼休みに小春ちゃんなら話してもいいと言った。言ったけれど。

 「二人とも、もうちょっと落ち着いて!」

 「無理です! だって、あの久世先輩ですよ!?」

 小春ちゃんは興奮した様子で椅子に座った。

 「無口で、ちょっと怖そうで、でも実は優しい久世先輩が、澪先輩に告白……!」

 「説明が長いよ?」

 「少女漫画みたいじゃないですか!」

 「現実だよ!?」

 侑芽が隣で笑っている。