極東4th

 修平を、自室へ呼んだ。

 彼は、真理に魔力を与えるのを拒めない。

 分かっていたからこそ、遠慮なく魔力を吸い上げた。

 男の手を握って、ゆっくり吸い上げる酔狂はなかったので、負担がかかるのは分かっていたが、一気に奪わせてもらう。

 今度よろけるのは、修平の方だった。

 そんな彼に。

『魔力供給者』も、手配させることにする。

 出撃の度に、こんなに持って行かれては困ると、修平も思ったのだろう。

 すぐに手配すると言って、ふらふらと真理の部屋から出て行った。

 世の中には、いろんな魔族がいる。

 その中に、階級と能力は低くても、無駄に魔力が余っている存在もいるだろう。

 そういう人間を、一人置いておけば便利だと、よくよく分かったのだ。

 真理の父親は、憑き魔女は持たなかった。

 遠い遠い記憶の話なので、確実ではないが。

 もし、父親が生きていたならば、魔女を生かすことに反対しただろうか。

「……」

 ふと。

 真理は、顔を扉へ向けた。

 早紀の気配がしたのだ。

 リンクしてしまったせいで、早紀のあの能力は、真理には通用しない。

 近くにくれば、はっきりと気配が分かるのだ。

 どうやら、真理の部屋に入りたいようで。

 ここからが、早紀は長い。

 昨日の蝕の時には、飛び込んできたが、あれは非常時だ。

 通常の彼女は、真理を怖がっているので、部屋に入るのに長い時間戸惑う。

「……入れ」

 気配が、ざわざわとうるさいので、真理はさっさと先手を打った。

 扉まで迎えに行ってやる気力は、まだ彼にはない。

 気配が、びくぅっと飛び跳ねる。

「し、失礼します」

 言葉と同時にノックという、奇妙な組み合わせの後──扉が開いた。