「ああ…ここにいたか」
夢路の途中で、早紀はへたりこんでいたらしい。
あんなに痛くても、寝つけるものなのかと、その事実も不思議だったが。
その夢路の途中へ、迎えにきたのは──早紀と同化したという鎧の男だ。
夢の中でさえ、傷口が痛いというのはどういう了見なのか。
夢ならば、痛いという感覚などないはずなのに。
「それはな…お前の魂に傷をつけられたからだ」
言葉にしていないものも、男は勝手に汲み上げて語り出す。
「魔族と天族なんて、真反対だからな…お互いの攻撃の効きだけは…ガチだぜ」
よっと。
ガチャッと鎧を鳴らして、男は早紀の前に片膝をついた。
顔も上げられない早紀に、近づくための行動だろうか。
そして、彼女の頭の側でこう言った。
「オレなら…治せるぜ?」
なんと──甘美な言葉だったか。
この悶える痛みから早紀を救えると、男は言うのだ。
こんな状態の彼女さえ、はっと顔を上げてしまうほどの威力があった。
「おっと…ただし、それにはお前さんの魔力がいる…治すのに必要な量だ」
それを、抜いていいのか?
何故、そんなことを聞くのか。
早紀が魔女で、魔力を持っているというのなら、好きなだけ使えばいいのだ。
それでこの痛みがなくなるのなら、安いものではないか。
早紀は、こくこくと強くうなずいた。
「オーケィ…すぐ治してやるぜ」
甘い、甘い言葉。
心と魂の弱った早紀にとっては、彼しかすがる人がいないという気分にさせられる。
差し出される金属の指先が、彼女の肩に触れたかと思うと。
ズシンッ。
身体が、鉛のように重くなった。
金属の手だから重くなったんだ、と言えば納得もするが、肩が──ではなく、全身が、なのだ。
「あ、あれ…」
早紀は、変な声を出した。
夢なのに。
目が。
回る。
夢路の途中で、早紀はへたりこんでいたらしい。
あんなに痛くても、寝つけるものなのかと、その事実も不思議だったが。
その夢路の途中へ、迎えにきたのは──早紀と同化したという鎧の男だ。
夢の中でさえ、傷口が痛いというのはどういう了見なのか。
夢ならば、痛いという感覚などないはずなのに。
「それはな…お前の魂に傷をつけられたからだ」
言葉にしていないものも、男は勝手に汲み上げて語り出す。
「魔族と天族なんて、真反対だからな…お互いの攻撃の効きだけは…ガチだぜ」
よっと。
ガチャッと鎧を鳴らして、男は早紀の前に片膝をついた。
顔も上げられない早紀に、近づくための行動だろうか。
そして、彼女の頭の側でこう言った。
「オレなら…治せるぜ?」
なんと──甘美な言葉だったか。
この悶える痛みから早紀を救えると、男は言うのだ。
こんな状態の彼女さえ、はっと顔を上げてしまうほどの威力があった。
「おっと…ただし、それにはお前さんの魔力がいる…治すのに必要な量だ」
それを、抜いていいのか?
何故、そんなことを聞くのか。
早紀が魔女で、魔力を持っているというのなら、好きなだけ使えばいいのだ。
それでこの痛みがなくなるのなら、安いものではないか。
早紀は、こくこくと強くうなずいた。
「オーケィ…すぐ治してやるぜ」
甘い、甘い言葉。
心と魂の弱った早紀にとっては、彼しかすがる人がいないという気分にさせられる。
差し出される金属の指先が、彼女の肩に触れたかと思うと。
ズシンッ。
身体が、鉛のように重くなった。
金属の手だから重くなったんだ、と言えば納得もするが、肩が──ではなく、全身が、なのだ。
「あ、あれ…」
早紀は、変な声を出した。
夢なのに。
目が。
回る。


