極東4th

 2nd──ベルガーの鎧は、なんというか豪華だった。

 金属の鎧だというのに、黒い羽の飾りがたくさんついているのだ。

 その羽を散らしながら、金の鎧と打ち合う。

 しかも、2体相手に、だ。

 細い細い、まるで針のような剣が閃いた。

『……切れ』

 その戦いに、真理がさっきのようにすぐに飛び込むかと思ったら。

 一度動きを止め、彼はそう言うのだ。

 言葉ではなく、早紀に直接伝える感覚で。

 え?

 切れって…何を?

 自分に言われているのは分かるが、すぐに反応できない。

 二人の感覚のせいで、冷静な判断力などいまの彼女にはないのだ。

『ステルスを…切れ』

 もう一度。

 今度は、省略なしで言われた。

 ステルス──この、存在を感じさせなくなる能力のことだろうか。

 鎧の存在を、周囲に分かるようにしろ、ということのようだ。

 ベルガーへの気遣いなのか、はたまた正々堂々と勝負をしたいのか。

 どんな考えからの言葉かは分からないが、いまの真理にはいらないようだ。

 だが、更に分からないことがあった。

 どうやればこの能力を外せるのか──

 いつも、無意識でばかりやっているのだから。

『叫べ…』

 真理が、ぼそりと呟いた。

『怒鳴れ…』

 少し、音量が上がった。

 一瞬の間。

『わめきちらせ!』

 早紀の全身に反響するような、大きな音になる。

 興奮状態だった彼女は、それに飛び跳ねるほどびっくりした。

 反射的に。

『あsdrふじこ!!!』

 意味不明の、大声を上げてしまう。

 あわっ、なんか、へんな、声、出た。

 早紀は、口を押さえようとしたが、鎧の右手をわずかに動かしただけでとどめられる。

『ああ…つながったか』

 少しうるさそうに、しかし、納得したように──真理は呟いたのだった。