極東4th

 窓から、飛び出す。

 派手にガラスの砕け散った音も無視して、真理はすっ飛んでいた。

 鎧を纏ったら、いきなり視界が開けたように、蝕を感じたのだ。

 高い、高い空へと一直線で向かう。

 鎧の高揚も、真理にダイレクトで伝わってきた。

 早紀の生来のものとも思いがたい、野生的な衝動。

 それに突き動かされているのか、いつもの馬鹿セリフが聞こえてこない。

 これは、早紀が例のステルスモードに入ったということだろうか。

 ステルスが発動した早紀からは、感情のリンクさえも外されているように思えるのだ。

 始まったばかりの蝕が目に入った時。

 同時に、火花が見えた。

 彼らより、速い連中がいたのだ。

 しかも。

 味方と――敵の両方。

 まだ、一対一のようだ。

 味方は。

 1st!!

 鎧から、それを判断する。

 さすが、速い。

 そう理解している間にも、二人の戦いは続く。

 真理は飛びながら、右手を自分の鎧の胸にあてた。

 そこに――武器があるはずだった。

 が。

 鎧が、反応しない。

 武器を出そうとしないのだ。

 鎧である早紀に、武器の場所を問いただそうとした時。

 自分の首が、勝手に後ろを向く仕草を見せる。

 ……。

 それに気付いて、真理は眉をひそめた。

 右腕を、首の後ろに回すと。

 それは――あった。

 背中から、それを引き抜く。

 長く、長く。

 そして、反りかえった刀。

 野蛮な刀か。

 多少の失望は、あった。

 水馬刀と呼ばれるものに近いそれは、魔族にとっては低級な扱いだったからだ。

 しかし、既に戦いは始まっていて。

 真理は、武器の優劣にケチをつけている暇はないのだ。

 まずは、一太刀。

 いまいる敵に、挨拶をするのが先だった。