そのまま。
目がさめると、思っていた。
鎧の男に笑われて、あれ、と夢から放り出されると。
なのに、今日の夢は終わらなかった。
あれ?
早紀は、その違和感に引っ張られるように、辺りを見回した。
頭上の映像は消え、再び静かな状態に戻っている。
いま、自分に生まれた違和感を、早紀が消化出来ないでいると。
ガチャ。
金属が、鳴った。
ガチャガチャガチャガチャ!
地震でも起きたかのように、小刻みに鎧が震えだしている。
「きた…来た来た来た…」
声が。
彼の声が、ひどくなる鎧に共鳴するかのように、喜びに打ち震えた。
「戻れ! そして新当主を叩き起こせ!」
継ぎ目という継ぎ目が、大きな音を立て続ける中。
制御しきれないほどの、その小手の先の指が、早紀に向けられる。
な、に?
ぶれる黒い指先は、彼女の額に向かっていた。
「来た…蝕だ!! 待ち焦がれたぞ!!」
震えながらも、それでも指は早紀の額で円を描いた。
「あっ!」
その悲鳴は、既に現実の音を伴っていた。
更に。
彼女は既に、真理の部屋の前に立っていたのだ。
しょ、く。
一瞬前の鎧の言葉が、頭をよぎる。
同時に、身体の奥底から、熱い何かがせり上がってきていた。
彼女の中で、あの鎧が猛っているような。
あらがい難い、そして、生まれて初めて持つ衝動。
手が。
自分の手が。
自分のものではないように、ドアノブを掴んでいた。
あの真理の部屋を――ノックなしで開けるなんて。
目がさめると、思っていた。
鎧の男に笑われて、あれ、と夢から放り出されると。
なのに、今日の夢は終わらなかった。
あれ?
早紀は、その違和感に引っ張られるように、辺りを見回した。
頭上の映像は消え、再び静かな状態に戻っている。
いま、自分に生まれた違和感を、早紀が消化出来ないでいると。
ガチャ。
金属が、鳴った。
ガチャガチャガチャガチャ!
地震でも起きたかのように、小刻みに鎧が震えだしている。
「きた…来た来た来た…」
声が。
彼の声が、ひどくなる鎧に共鳴するかのように、喜びに打ち震えた。
「戻れ! そして新当主を叩き起こせ!」
継ぎ目という継ぎ目が、大きな音を立て続ける中。
制御しきれないほどの、その小手の先の指が、早紀に向けられる。
な、に?
ぶれる黒い指先は、彼女の額に向かっていた。
「来た…蝕だ!! 待ち焦がれたぞ!!」
震えながらも、それでも指は早紀の額で円を描いた。
「あっ!」
その悲鳴は、既に現実の音を伴っていた。
更に。
彼女は既に、真理の部屋の前に立っていたのだ。
しょ、く。
一瞬前の鎧の言葉が、頭をよぎる。
同時に、身体の奥底から、熱い何かがせり上がってきていた。
彼女の中で、あの鎧が猛っているような。
あらがい難い、そして、生まれて初めて持つ衝動。
手が。
自分の手が。
自分のものではないように、ドアノブを掴んでいた。
あの真理の部屋を――ノックなしで開けるなんて。


